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SAKURAシナリオデータベース

 自動運転の安全性を確保すべく、交通外乱に関するシナリオを用いた安全性評価が検討されています。シナリオを記述するパラメータは一般に複数存在することに加え、ある程度の範囲に渡って想定されるため、評価するシナリオ数が多くなってしまいます。したがって、実車とシミュレーションを併用した評価が有効であると考えられます。

 一方、自動運転の国際基準調和を行うWP29では「自動運転車両は、その運転設計領域において、合理的に予見可能かつ防止可能な人身事故を発生させてはならない」と安全原則を示しています。

 このような背景のもと、「合理的に予見可能な」範囲や「防止可能な」範囲を明らかにしてそれらに基づく複数の評価シナリオを効率的に定義するツールとしてシナリオデータベースを構築しています。このデータベースは計測車両や定点観測で得られた実交通データに基づいて構築されており、計測日時・計測場所・道路形状・計測方法・データ管理番号などの評価シナリオの導出根拠が確認・追跡できるように構成されています。
シナリオデータベースは日本自動車工業会発行の自動運転の安全性評価フレームワークVer3.0に準拠して構築を進めています。
FY24版では自動運転の安全性評価フレームワークVer3.0で定義された58パターンの交通外乱シナリオのうち、No.1, 2, 4, 5, 9, 10, 12, 13, 17, 18, 20, 21, 23, 24, 26, 27, 29, 30, 32, 33, 35, 36, 38, 39, 42, 52が実装対象です。

Figure 1

図:実装対象シナリオ

チュートリアル

 シミュレーションを用いて自動運転システムの安全性を評価するにあたり、シナリオデータベースを活用する手順をチュートリアル形式で紹介します。
カットインシナリオ[No.4]を題材にして、評価ステップ(下図(1)~(6))の全体像を説明します。

図:シナリオデータベースの手順

サンプルシナリオ

 シナリオデータベースで作成したシナリオをサンプルとして提供します.ご利用中のシミュレーションソフトウェアに適用してください。
提供するサンプルシナリオはカットインシナリオ[No.4]とカットアウトシナリオ[No.5]です。下図からシナリオをクリックして、表示された画面からシナリオファイル(OpenSCENARIO, OpenDrive)をダウンロードしてください。
なお、提供するサンプルシナリオの使用により被ったいかなる損害についても、一切責任を負うことはできませんので予めご了承ください。

カットインシナリオ[No.4]

カットインシナリオ[No.4]

カットアウトシナリオ[No.5]

カットアウトシナリオ[No.5]